祝 ご卒業 (式辞から)
88名の卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。
今日は月輪中学校最後の卒業式となりました。月輪中学校は67年に及ぶ歴史を積み重ねてきました。そして,その最後の卒業生となった皆さんは,明日からの新たな活躍の場への夢や,あこがれや,期待や,意欲に満ちながらも,卒業と共に母校の歴史に終止符が打たれる寂しさを感じながらの門出だと思っています。
私は皆さんとは1年間だけのおつきあいでした。春体,夏季大会,体育大会,文化祭,生徒会活動などでは,やはり3年生の活躍が一番でした。安心院の自然の中で仲間との絆を深めたこと,生徒総会で授業の充実を,生徒の声として発してくれたことなどが思い出されます。
昨日は京都新聞に3年生の美化保健委員会が作成し,3年生全員が出演した「薬物乱用防止」を訴えるDVDのことが記事になって載りました。DVD作成の機会を与えていただいた京都府警の辻警部補が,すでに講演会でも話題にして使っていただいているとのことです。月輪中学校で,皆さんが残した足跡が4月以後も残ったわけです。
「月中ラストイヤー」この言葉を,皆さんの口から何度聞いたことでしょうか。繰り返して言うまでもありませんが,この合言葉のもとに,一つ一つが最後となっていく行事に取り組み,今日,月輪中学校の誇りを胸に巣立ってくれることに感謝と感動を覚える次第です。
現代社会は「知識基盤社会」と言われます。社会の変化は日進月歩であり,その変化への対応には年齢や性別などは関係しません。つまり誰もが必要な知識を身につけ,必要な情報を得て,それを活かしていかなければなりません。この知識や情報はこれから進んで行く学校だけでなく,毎日の生活の中でも見つけていかなければなりません。
今日,手渡した卒業証書は9年間の義務教育を修めた証ですが,これで皆さんの学びが一段落するものではありません。義務教育で身につけた力は,これからも必要な知識や情報を得るための力であること,将来の職業人,家庭人,地域社会の一員としての役割を担っていけるように今後の皆さんのキャリア発達を心より祈念します。
終わりになりましたが,保護者の皆様,本日はお子様のご卒業,心から御祝い申し上げます。子どもたちの人間形成はここで完結できるものではありません。私たちは3年間お預かりしましたが,確かな成長の足跡だけではなく,まだまだ指導しきれなかったという思いもあります。
今日でこの月輪中学校を巣立って行かれますが,これからも地域での成長を見守ってまいります。これまでの本校の教育活動に多大のご理解とご支援を賜りましたこと御礼申し上げます。
以上,卒業生の皆さんの洋々たる前途を祈念し,併せて,歴代17,687名が巣立った我が月輪中学校が,この地に67年間の永きにわたり存在し,立派な人材を多く世に輩出してきた栄誉に思いを馳せ,式辞といたします。
平成26年3月14日 校長 村岡 徹