◇66年目,そして最後の創立記念日を迎えて…
昭和22年(1947年)4月30日,月輪中学校は月輪小学校に併置され,5月 5日の開校式でその歴史の幕を開けました。現在の地に移ったのは昭和24年度,その後グランド,講堂,校舎整備等の変遷を経て,平成14年9月に現校舎が竣工しました。
今でも春先に咲き誇る月中桜は昭和33年3月12日,創立10周年を記念して全てのクラスで1本ずつ植樹が始められました。グランド北西に建つ月中桜の碑には,次のように刻まれています。
学びつつある者には心に花を
巣立ち行きし者には心に故郷を
郷土の人々には心に憩いをと
創立十周年の佳き日に植え初む
いつの日にか花の学び舎とならん
校訓「頭をつくる,人をつくる,体をつくる」は第2代校長,池原喜七郎氏が開校3年目に定められ,今に引き継がれてきました。この「知・徳・体」を示す校訓は平成8年度より文科省が提唱する日本の教育の目標である「生きる力(確かな学力・豊かな人間性・健康体力)」そのものと言えます。開校66年目を迎え,そして月輪中学校としては最後の創立記念の日となりましたが,来年度この地に開校する東山泉小中学校に月中の校訓はつながっていきます。
◇憲法月間にちなんで…
校訓「頭をつくる 人をつくる 体をつくる」は先ほど述べたとおりで,学校は「生きる力」をつけるところです。確かな学力,豊かな心,健やかな体の3つ(知・徳・体)を
バランスよく伸ばして,社会性を身につけてほしいと思います。
5月は憲法月間です。「基本的人権」ということを聞いたことがあると思います。人間が人間らしく生きていくために必要な、基本的な自由と権利のことです。日本国憲法は、侵すことのできない永久の権利としてこれを保障しています。
人間が人間らしく生きていくために,今日は「命」について考えます。かけがえのない「命」。「いのち」とひらがなで表すとまた違った意味が感じられませんか?「命」には生物としての命と,生き方や生きがい,人生のような意味もあります。
亀岡での登校途中の小学生が犠牲になった交通事故,大津でのいじめによる中学生の自殺,大阪での体罰を苦にしての高校生の自殺など,子どもの尊い命が奪われる出来事に心を痛めます。
今,特に子どもたちにとっての「いのち」に関わる問題は何でしょうか?
いじめ,体罰,虐待だけでなく,ケータイ,スマホ,インターネットなどが媒体になって起こる事件もあります。環境や自然破壊も衣食住に悪影響を及ぼし,命の危険にさらされることもあります。
子どもの命を守るために…,大人がすべきこと,子どもたちがすべきことは何かを考えてほしいと思います。たとえば,私は大人は世の中の間違いを正すこと,子どもならば正しい知識を身につけることがその一つと思っています。
学校は社会の縮図です。そして社会は複数の人が暮らすところです。その中で自分を大切にすることと,まわりの仲間を大切にすることとを,併せてするにはどうすればいいのかを考えてください。