最新更新日:2013/03/25 | |
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厳しい寒さだからこその芸術
上下とも19日(土)の寒さがもたらした自然の氷の作品です。今日は,朝9時の気温が−5度と厳しい冷え込みとなりました。地域の屋外の水道栓は当然全て凍って水が出てきません。
では,上の写真から見ていきましょう。左側の写真を見て下さい。水たまりの窪みにすりガラス様の氷が張っています。右側は,割ってみた直後の様子です。中が空洞になっています。どのようにしてこんな氷ができたのでしょう。 これは簡単ですね。氷は空気に触れている水の表面からできていきます。寒ければ寒いほど,氷は厚くなります。凍り始める温度はご存じの通り0度(理論上)です。ということは,右側の割れた氷の最下面がちょうど0度だったということです。その下は水だったのです。でも,水だと,時間とともに地面の中に吸い込まれていきます。従って,私が見たときには,表面近くが凍ったままで,凍らなかった水が吸い込まれた後の空洞の状態だったのです。水が染み込んでいくときに,表面は,氷の蓋ができていますので,わずかながら空間の圧力が下がります。そこに水が気化して水蒸気となりますが,氷の表面に触れると一気に凍って小さな氷粒が下側表面に張りついていきます。これが,すりガラス様になった要因と思われます。また,中が水から空気に入れ替わると,冷えやすくなり,中の土の表面までも凍って乾いたようになります。 次に下の写真です。同じ物を違う角度から見ています。普通,氷柱(つらら)は上から垂れ下がるものですが,これは,下から伸び上がっています。どうしてできたのでしょう。 まず,どうしてできたかは,鍾乳洞の石筍から想像が付くでしょう。そうです,上からの滴が冷え固まって徐々に徐々に背を伸ばしていったのです。ということは,周りの気温が氷点下でないと起こりませんね。前日17日の気温が寒気と雪の影響で余り上がらないところに,晴れて放射冷却が働き,18時には−3度に戻るほどの冷え込みでした。この氷筍,実は,車の隅から滴り落ちていた水なのです。おそらく昼ごろに氷点以上に達し,車が積んでいた雪がじわじわと融けだしたのでしょう。午後の早い内に地表付近が氷点下に戻ったと思われ,車からポタリポタリと滴り落ちた水が,少しずつ少しずつ氷となって伸び上がったのでしょう。私自身も正直初めて見ました。 |
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