最新更新日:2024/09/27 | |
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卒業式 祝辞
式辞
寒さに耐えた木々の芽がふくらみ、春の訪れが感じられる今日、多数のご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、第四十四回卒業式が挙行できますことを、心から感謝し、厚くお礼申し上げます。 さて、卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。 今、巣立ちゆく皆さんに、卒業証書を手渡しました。皆さんは、本日をもって、九年間の義務教育の課程を終えることになります。 三年間を振り返ると多くの思い出があることでしょう。私は皆さんとともに修学旅行で訪れた長崎の風景がよみがえります。平和公園の澄み切った青空のもと、戦争の悲惨さ、平和のありがたさを肌で感じることができました。 また、少子高齢化がすすみ限界集落となっている松浦地区での民泊体験では、豊かな自然に囲まれ、地元の人の優しさに触れ、家族のありがたさを改めて実感できたことでしょう。 その成果をまとめ、文化祭において、グループごとにポスターセッションで発表してくれました。このようなコミュニケーション能力を高めることは、これからの時代を生きていくうえで大切です。 三年間、このようなさまざまな取組を通して、集団として成長し、友達や先生、地域の人たち、そして、家族の方と絆を深めることができたのではないでしょうか。 在校生の皆さんも先輩たちの門出の姿を見届け、より良き栗陵中学校を築くためにバトンを引き継いでください。 先日、ピョンチャン冬季オリンピックが終わりました。世界中から集まった多くのアスリートが、人々を感動させてくれました。 六十六年ぶりに二大会連続金メダルに輝やき、国民栄誉賞を受賞するフィギアスケートの羽生結弦選手のように、直前の大きなけがを克服し、あきらめずに最後まで努力を重ね、大舞台で自分の力を出し切る姿に大変感動しました。 インタビューに答える多くの選手の言葉には、支えてくれた人や応援していただいた方への感謝の気持ち、目標をもって、一生懸命努力することの大切さ、ともに仲間と切磋琢磨することの大切さを伝えていました。 皆さんの周りにも自分を支えてくれている人がいるはずです。この卒業という節目に感謝の言葉をかけてみてはどうでしょうか。 話は変わりますが、この先、日本の国は、超少子高齢化や人工知能の発達などにより、想像できないほど、激しく変化していきます。そんな時代を生き抜き、輝く未来を創るために皆さんに三つのことをお話しします。 一つ目は、「志を持つこと」です。 「夢」や「希望」をもち続けることです。「志」は周りの人を幸せにし、世の中を、よりよく変える力となっていきます。君たち一人ひとりが生まれてきたことには、意味があり、与えられた使命があるといえます。いろいろな情報に惑わされず、素直な気持ちで自分を見つめ、自分を高め、自分を大切にできる人となって、自分の使命を、みつけてください。 二つ目は「思いやる心を持つ」ということです。 私たちは、あらゆる困難や問題を解決するとき、自分の考えを伝えたり、周りの人に相談したり、話し合い、助け合います。人は一人では生きていけません。今後、学校で、職場で、家庭で、地域で、今までよりお互いに人を思いやり、協力することが豊かな心を育むことにつながり、未来を拓く力となるはずです。 三つ目は、「学び続けること」です。 そうです。人間、一生学び続けるのです。人間の成長は、努力し、学び続けることによって支えられるものです。しかし、人間は弱いもので、楽な道を選んだり、欲望や誘惑に負け、怠けてしまいそうになったりします。このようなときに、「志」を忘れず、苦しくても、学ぶ努力を続け、一歩ずつ前進してください。目立たなくとも、地道に、学び続けていると、必ず飛躍できると信じて、人生という長い道を悠々と歩んでいってください。 次に、保護者の皆様にお祝い申し上げます。お子達のご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。私たち教職員一同、生徒一人ひとりを大切にすることを目標に努力してまいりました。 しかし、行き届かない点など多々あったことと深くお詫びいたします。また、本校のために、いろいろとご支援ご協力いただきましたことを厚くお礼申し上げます。 最後になりましたが、ご来賓の皆様にはご多忙の中、ご臨席いただき、ありがとうございました。高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。 今後とも本校教育の向上のため、ご理解、ご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 それでは、卒業生の皆さん、未来へ向かって、「志」をもち、人を思いやり、感謝の気持ちを忘れず、学びつづけてください。皆さんの輝かしい前途を祝して、式辞といたします。 平成三十年三月十五日 京都市立栗陵中学校 校長 水野 博之 |
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