京都市立堀川高等学校

ある卒業生の話

 西日本を中心に大きな被害をもたらした西日本豪雨では、今も被災地で捜索と救助が続いています。交通機関も混乱し、多くの人たちが普段の生活にもどるのに、まだまだ時間がかかっている状態です。被災地での復旧作業が急がれています。
 そんな状況の中で、今年4月から広島大学に進学し、東広島市で学生生活を送っている堀川高校の卒業生が、自分の生活している地域が混乱している状況の中で、大学生仲間たちとともに困っている人たちのために、積極的に活動しているという連絡がありました。
 東広島市の国道2号バイパスが寸断され、身動きの取れない車やトラックが3キロ以上立ち往生しており、そのドライバーたちに、堀川高校卒業生を含めた広島大学の学生有志15名が、自分たちで炊きだした塩おにぎり300個や飲み物などを差し入れたということです。お米も学生たちがツイッターで呼びかけて、約100合集まったそうです。卒業生はおにぎり部隊で一生懸命にぎり続けたということです。
 自分たち自身の生活もままならない中で、他者のために行動できる力は本当に尊いものだと思います。困った状況の中でも自分の位置だけではなく、周囲の状況をふまえて、客観視できる力は、想像力を豊かにし、自分に何かできることはないかと他者との協働を生み出していく。それはまさに思考力、判断力、表現力(行動力)が自然に発揮されたものなのでしょう。
 最近の若者たちは……本当にすばらしい!

 
 学校長 谷内 秀一


 写真:中国新聞社7月10日掲載記事(中国新聞社の許諾を得ています。)




【校長室から】 2018-07-20 10:31 up!

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