京都市立美術工芸高等学校

1年生研修旅行【第3日目・第4日目】

3日目
コース別研修として、主に美術館での作品観賞や学芸員の方からの講義による研修でした。
Aコースは、東京都写真美術館と東京国立近代美術館、Bコースは国立新美術館と六本木界隈のギャラリー、Cコースはサントリー美術館と国立新美術館にご協力をいただきました。
美術館からは、それぞれの美術館の成り立ちや展覧会の運営に関すること、今回の展示のコンセプト等についてお伺いし、学芸員の役割やキャリアデザインについてお話を聞いたコースもありました。
サントリー美術館の「織田有楽斎展」では、生徒は展示された工芸品や屏風絵などを興味深く観賞しており、「呼び継ぎ」という洒落心のある技法や、欠けたところをクサビで留めた青磁の器についての説明を聞き、今まであまり知られていなかった茶人としての有楽斎の人物像に想いを巡らせていました。
東京都写真美術館では「恵比寿映像祭2004 コミッションプロジェクト」について詳しくお話をお伺いしました。日本を拠点に活動する新進アーティストを選出し、制作委嘱した作品を新たな恵比寿映像祭の成果として発表する「コミッションプロジェクト」について、美術館の思いや意義を伺いしました。身近となった映像表現を美術館にて展示することの意味や表現の境界について生徒も興味を持ち、質問していました。
国立新美術館ではまず「遠距離現在」展を観賞し、その後学芸員の方から観賞と施設のガイダンスをしていただきました。「マティス 自由なフォルム」展では、豊かな形や色の美しさに魅了されました。
六本木のピラミデビル、complex665などのギャラリーでの観賞については、生徒からは「たくさんのギャラリーがあることを知った。表現の方法はそれぞれで、自分もそれを見つけていきたい。」「色々なギャラリーを回って様々な作品に触れ、視野を広げた。」などの感想があり、現代美術作品の展示場所の多い東京ならではの刺激を受けてきたようです。
3日目の夜は学年レクリエーションで盛り上がりました。レク係の生徒が準備と進行などに大変力を注いでくれ、学年で一緒に楽しむことができ、こちらも良い経験になったのではないでしょうか。

4日目
最終日は上野公園にて、各自が任意に選択した施設を訪れる行先別研修でした。上野には美術館や博物館が複数ありますが、この時もそれぞれの館が独自の展示を打ち出しておられ、東京の美術館の力強さを感じることができました。生徒が見ることができたのは、国宝・重要文化財が一堂に展示された「東京国立博物館」、「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展/東京都美術館」、美術館の歴史を振り返り、時代の変遷と取り組みや意義を問い直そうとする「ここは未来のアーティストが眠る部屋となりえてきたか?−国立西洋美術館65年目の自問・現代美術家たちへの問いかけ/西洋美術館」、40歳以下の若手作家の平面作品を取り上げた「VOCA展2024-現代美術の展望〜新しい平面の作家たち〜/上野の森美術館」などです。生徒は、「美術館からは本物の作品の迫力や、美術の歴史・現代とのつながりを感じた」、「科学博物館では化学の授業との結びつきを感じ、全部見切れなかった」など、興味関心を持ってしっかりと本物の作品展示に向かい合えた様子でした。
盛り沢山の研修は無事に終了し、京都駅にて解散しました。4日間は、旅行会社の方、看護師さんに同行していただき、様々なサポートをしていただきました。ありがとうございました。また、生徒のスタッフや、一人一人が集団での行動という学びに貢献してくれたことにも心より感謝します。
「知識や経験のお土産を誰に渡そうか?」と考えて、研修後も過ごしてくれているはずです。「未来の自分への責任を果たす」4日間になったことと思います。研修旅行での経験が2年生に向けての準備として、ステップアップのひとつとなることを祈っています。
保護者の皆さまのご協力に心より感謝いたします。



【学校の様子】 2024-03-26 18:56 up!

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