京都市立砂川小学校

一匹の魚よりも,魚の取り方を

 6月,紫陽花の季節,梅雨入りの季節になりました。早いもので,4月,5月ともう2ヶ月が過ぎようとしています。5月には,「1年生を迎える会」や「演劇鑑賞会」,6年生の「修学旅行」や1〜3年生の「春の遠足」,等々,子どもたちが楽しみにしていた学校行事がたくさんありました。それぞれの行事の様子は,学校のホームページでもお知らせをしていますが,子どもたちからも直接たくさんの感想をお聞きいただけたのではないでしょうか?
 子どもたちは,これら学校行事やいろいろな活動を通して様々な体験や経験をします。体験や経験を積み重ねることで,子どもたちは見方や考え方を成長させていきます。「あの時はこうやったなぁ」「似たようなことをしたことがあるよ」といったふうに,体験や経験を生かし,つなげて考えることで,自分の見方や考え方をじっくりと成長させていきます。
 見方や考え方を身につけさせる上で,「1匹の魚よりも,魚のとり方を」というフレーズをある研修会で話をされていたことが大変印象的でした。「1匹の魚よりも,魚のとり方を」とは,空腹で食糧が必要な人に1匹の魚を与えても,その日だけの食べ物にしかなりません。食べてしまえばまた必要になります。しかし,魚のとり方を教えると,必要なときに魚をとることができ,一生の食べ物を与えたことになるという趣旨です。魚のとり方とは新しい知識や技能の学び取り方のことです。このフレーズは学び方を身につけることの大切さを訴えているものです。
 子どもたちが将来,変化の激しい社会を生き抜いていくためには,生涯にわたって学び続けることが求められます。その際に必要になるのが学び方を学び,「見方や考え方」を成長させることが大切です。
 しかし,「見方・考え方」といったものは,すぐに成果として表れるというものばかりではありません。ただ単に知識だけを与え(ただ単に魚を与え),「すぐにできるように…」,「すぐにわかるように…」(「すぐに食べられるように…」)と,即効性ばかりを追いかけず,私たち大人がじっくりと関わりながら(魚のとり方を学ばせながら),子どもたちの「見方・考え方」の成長を見守っていくことが改めて大切だと感じました。
 ぜひ,ご家庭でも結果に追われることなく,少しずつ成長している子どもの様子を見守っていただき,子ども達が「見方・考え方」を成長できるように支えていただきますよう,よろしくお願いいたします。

                     学校長  谷本 史朗


【校長室から】 2019-06-07 15:00 up!